墨で描かれる持ち運べるアート。バッグブランド「ky」デザイナー笠間佑奈さんインタビュー

墨によって描かれるその芸術的な柄に引き付けれながらも、身に付けるとすっとコーディネートに馴染む。

トートバッグを中心としたファッションブランド「ky」を生み出す笠間さんのその魅力の秘密に迫ります。

-まずは「ky」さんのコンセプトについてお聞かせ頂けますか?

「ky」は墨を使って柄を描くトートバッグを中心としたブランドです。

よく聞かれるブランド名の「ky」ですが、スタイリッシュな字面からシンプルに私のイニシャルからとったのですが、よく「空気が読めない」と読まれちゃいますね(笑)

ですが、若い方からお年寄りの方まで、手に取って頂いた誰しもに「恋の予感」が訪れるような、ワクワクドキドキする日々をもたらせたら…という想いを込めています。

-素敵なコンセプトですね!「ky」さんのバッグなどの柄は墨を使って描くという大変珍しい手法なのですが、
そもそもどういった経緯で墨を使って描くブランドにしようと思ったんですか?

まず元々高校を卒業するタイミングで、一度きりしかない人生、自分がやると決めたことはやりたいという思いから、自分のブランドを作りたいと思ったのがシンプルなきっかけです。

そこから文化服装学院というアパレル系の専門学校に進学して、洋服を作ることが出来るようになりました。

しかしあえて洋服でなく多くの人に届けられるバッグを作りたい。

絵を描くことも好きで、幼いころかやっていた習字も活かしたい。

そしてそのようなスタイルをとっている人は他にいないと思い、自分の好きなことを組み合わせて今の形になりました。

もちろん母には「デザイナーになる!」と言った時には猛反対されましたが(笑)

-そうなんですね、そんな熱い気持ちで作品を生み出す中で、
墨ならではの魅力や大変と思うことはありますか?

柄を描く筆やカバンの生地になる布など、どれか一つ違うだけで違った柄になりますし、
当然墨なので白黒になりがちだけど濃淡がつくのでシンプルだけどすごく奥が深いなというところは魅力だと思います。

柄を墨で描いてからの生地に定着させるために乾かすのですが、それによっても変わってきます、最低でも一年くらいかかるんですけど…。

-え!一年乾かすんですか?!途方もない…(笑)

そうなんです、だから今描いた柄もバッグとして出来上がるのは一年後です(笑)

場合によっては一年以上にもなりますが一年以下になることはないです。

この一年間の乾かし方でだいぶ変わるのがまた面白いんですよ!

バッグの生地も全て同じではないので炭の定着具合が変わるので二度と同じものは作れない、出来上がってのお楽しみなところも魅力です。

そして柄だけでなく、バッグのボディのデザインや縫製、加工も全て自前で行っているので画一化せず、
量産品にはないどんな形にも出来るところもkyの強みだと思います。

-だからここまでそれぞれの作品が独特かつスタイリッシュになるんですね!

一見すると笠間さんは控えめで穏やかそうに見えますが、一つやると決めたらこだわってやり抜くという笠間さんの魅力が出ているんだなと改めて感じます。

そんな風に見えますか?

意外と学生時代は体育会系の部活にも入っていたのもあって、やっぱり一個のことに全力を注ぎ自分の決めたことはやりきりということは好きですね。

その分頑固だと言われることもありますが、時間をかけてこだわりを持って作るには向いてるのかなと思います(笑)

-ここまで素敵なバッグを作ったりするうえで誰かの影響は受けたりするんですか?

実は母と一緒に作っているのもあって、母の影響は一番受けています。

絵を描くことや習字、洋服を作るということにおいても原点になっているのは母なんです。

異素材の生地を縫い合わせたりする際の技術面や、柄を描く時も私には無い引き出しの母の表現力にも毎回助けられてます。

-なるほど。強度と軽さを実現するプロダクトの技術面と、多様なデザイン性の両輪を兼ね備えた作品を、
親子の共同作業の中で生み出されるなんて本当に素敵な関係性です。

素直に「こうしたい」と言えるし、喧嘩しても大丈夫。

絶対的な信頼があるからこそ、良いモノを作り出す為の意見が出し合えると思います。

ぶつかることもありますが、どの作品も母と一緒にやってきたからこそ生み出せたと思っています!

また、年が離れているので目線も違うから様々なアイディアが出ますし、
自分だけではどうしても思いつかないようなことも言ってくれます。

-確かに老若男女に愛されるブランドとしては、人生の先輩の意見も重要ですよね。

ブランドってコンセプトがあって「この服にはこの組み合わせ」、「大体この世代が身に着ける」という固定概念があると思うんですけど、
私はそれを一つに決めたくないんです。

どの世代にも男女問わず選んでもらいたい。

そういうのも考えると自分からはなかなか出ないような母の意見も大切にしています。

-最後に「ky」として今後の展望含めてお聞かせください!

幅広い人たちに届けるためにも今作ってみたいものをどんどん形にしていきたいですね。

バッグだけでなくもっと多くの人の生活に入り込んでいけるようにしていきたいです。

例えば男女や家族が一緒に買い物来ているのに、「私こっちみたいから自分の好きお店行って待ってて!」というやり取りをよく目にすると思うんです。

でもなんか違うなとも思うんですよね、そういうタイミングで「ky」で一緒に買い物しようって思ってもらえるようにいていきたいですね。

その第一歩として今はブックカバーも制作しているのですがそうやって少しずつでも「ky」を身に着けて「恋の予感」のようなワクワク、ドキドキを若者からお年寄りまで届けられるようなブランドにしていきたいです。

-一見モノトーンでシンプルに見えつつも、それぞれ全く違う世界観を持つ手描きのテキスタイルが、オリジナリティとスタリッシュを兼ね揃えたkyの作品。

それらは長年かけて手描きの炭で生み出すというこだわりが作り上げた、唯一無二のアイテムばかり。

そこにはまさに控えめ見えて芯を貫くデザイナーさんの想いが込められており、身に付ける全ての人の外出に「恋の予感」のようなワクワク、ドキドキをもたらしてくれることでしょう。

ブランド名:ky
デザイナー:笠間佑奈
通販サイト:https://kyoriginal.thebase.in/
URL:[Instagram]https://www.instagram.com/yunakasama/

何気ない日常にときめきをもたらす事ができる存在でありたい。
世代男女の垣根を超えて、様々なシーンで活用していただけるように制作しています。
墨で手書きで描いており、縫製、仕上げまで全て手作業なので同じものはひとつとありません。
あなただけの世界にひとつしかないときめきを探しにきて下さい。